帰化の種類と要件
帰化とは、外国籍を持ち日本で暮らす方が、日本国籍を取得することです。
外国籍を持ち日本で暮らすと言っても、人によって事情は様々に違います。そこで、帰化の種類が3つに分けられており、ご自分の状況に当てはまる種類に合わせた帰化の要件を見ていくことになります。
帰化の種類
普通帰化
普通帰化の対象となるのは、外国で生まれ育ち、ある時点で日本で暮らすようになった外国籍の方です。
普通帰化には7つの条件があります。
居住条件
◇引き続き5年以上日本に住所を有すること(うち3年以上は就労ビザを持って滞在していること)
*途中で3ヶ月以上の出国をしていたり、1年のうち半分近く出国している場合は、引き続き日本に住んでいるとはみなされません。
ただし、例外があります!10年以上日本に住んでいる人は、1年以上就労ビザを持って滞在していればOKです。
能力条件
◇18歳以上で本国法によって行為能力を有すること。
未成年の子が両親と一緒に帰化申請をする場合は、18歳未満でもOKです。
ただし、18歳以上でも外国人の本国では成人ではない場合は条件を満たしていないことになります。
素行条件
◇素行が善良であること。
・反社会的な活動をしていないこと
・きちんと納税をしていること(既婚者の場合は配偶者も含む)
・きちんと年金を納めていること
・交通違反をたくさんしていないこと
・重犯罪の前科がないこと
生計条件
◇自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産、又は、技能によって生計を営むことができること。
本人、配偶者、親、子などが職について、安定した収入が見込めることが必要です。
喪失条件
◇国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと。
*国によっては、母国の兵役が終わらなければ国籍の離脱ができないこともあるので事前に要確認。
思想条件
◇日本国憲法又はその下に成立したと政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。
日本語能力条件
◇小学校3年生程度の日本語の読み書きができること。
簡易帰化
簡易帰化の対象となるのは、特別永住者(在日韓国人・朝鮮人)の方や、日本人と結婚している外国籍の方です。
ここで言う簡易の意味は、帰化の条件がやさしくなるということです。
基本的には普通帰化と同じなのですが、居住条件、能力条件、生計条件が変わってきます。
〇日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所・居所を有し、またはその父か母(養父母を除く)が日本で生まれた人
〇引き続き10年以上日本に居所を有する人
〇日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所・居所を有し、かつ、現に日本に住所を有する人
〇日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有する人
〇日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有する人
〇日本国民の養子で、引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組時未成年であった人
〇日本の国籍を失った人(日本に帰化した後日本の国籍を失った人を除く)で日本に住所を有する人
〇日本で生まれ、かつ、出生時から国籍を有しない人で、引き続き3年以上日本に住所を有する人
大帰化
日本に対して特別に功労実績のある外国人に対して許可されます。
*現在まで許可された前例はありません。